のっけからこんなことを言うのも、どうかと思うが、この宿は、
「老若男女を問わず、どなたでもお気軽にお越しください」
というタイプの宿ではない。

大変申し訳ないが、「しみじみと孤独を楽しみたい方」「二人っきりで甘いひとときを過ごしたいカップル」「大勢で酒を飲み騒ぎたいグループ」には、決してお勧めしない。

また、この宿には、完全なる個室は存在しない。
ベッドルームでの飲食は出来ないし、お風呂やトイレは共同。
昨今個室の要望が多いのですが、個室はなく、ドミトリー(相部屋)が主体のバックパッカーズホステル。
個室がいいなら普通にホテルをお勧めいたします。

石垣の上にあるので、坂道を登って疲れ切っているのに、追い打ちをかけるように石段がある。
重いスーツケースでお越しの方は大変かと思いますので、次回はバックパックで来て下さい

また、古い日本家屋なので、バリアフリーではない。
本来なら、バリアフリーにしなければならないと、思っています。車いすでは廊下も通られません。トイレも行けない。これはこちらの落ち度であり、大変申し訳ありません。
これでは、本当にいけないと思っている。建物の不備は人のアイディアとチカラでカバーしたいと思っていますので、至らぬ点、ご迷惑をおかけする点はご了承ください。

古い民家なので、柱が少し傾いていたり、戸がチョッとイビツだったり、廊下がキシむところがあります。
完璧な手直しをすればよいのですが、それが古い家の味として歴史を感じていただければ幸いです。

冬期間は、凍死こそしませんが、室内でも、とても寒いと思われます。
大きな改築工事をしたり、暖房設備などを充実すれば、いいのかもしれませんが、そう簡単には出来ない事情というものがもあります。
また、夏はそこそこ暑い日がありますが、この宿にはクーラーはありません。
北海道の四季を体感していただけるかと思います。

最寄りの駅(南小樽)から車で2、3分のとこですが、歩くと10分ぐらいかかる。それもちょっと淋しい坂道です。
降りる駅は「小樽駅」をオススメ。歩くと15分ほどかかるが、小樽の中心の駅で、観光案内所もあるし、ロッカーも寿司屋だってある。小樽に来るなら小樽駅は必ず寄るポイントのひとつ。駅を出ると真っ直ぐに港が見えます。宿までの道程も平坦でアーケードのある商店街を通ってくるので、小樽の街を楽しめる。それも旅のひとつだと思っている

駅から歩くと微妙な距離にあるというのに、送迎サービスはない。町歩きを楽しんで貰いたいのもあるが、もし荷物が多いようでしたら、大変申し訳ありませんが、タクシーをご利用ください。この宿屋がほかの仕事を奪うようなことをしたくはない。
レンタカーが安くなって、車で旅する方も増えましたが、生憎駐車場は3台までしありません。でも、無料です。ましてやバイクにいたっては路上駐車です。どうしても心配な方、ご遠慮ください。ほかのお宿さんをご紹介いたしまので、お許しください。

この宿にはカフェもレストランもない
恐れ多くて食事を提供するようなことはできません。宿の近くには、たくさんの飲食店があり、たくさんの素敵なカフェがある。もちろん居酒屋やバーもある。宿にはないが、宿の近くにはたくさんあり、ご希望のお食事などがあったたら、お店をご紹介いたします。ただ、そのお店が気にくわなくても、ぐるなびなどの投稿しないでください。その店が至らなかったのではなく、家代のオススメがダメだったのです。家代を非難してください。

この宿には自炊設備がある。
とりあえず一通り料理ができる鍋釜調味料はあり、石狩鍋やジンギスカン、ローストチキン、ブイヤベース、ピザ、シフォンケーキなどなどを料理することができる。一緒になった旅人とシェアする夕食などいかがでしょうか?家代も若干のお手伝いはできますので、ひとくちいただければ喜んでお手伝いいたします。

この宿には、温泉はない。
もちろんお風呂やシャワーはある。

カフェも、バーもなければ、カラオケも、テニスコートも、卓球台もない。もちろんルームサービスもない。みんなで輪になって歌ったり、毎晩呑み会があったり、たこ焼きパーティなどのイベントはもない。

その上、この宿には、普通のテレビはない。テレビは、DVD専用なので、地上波は映らない。野球や連続ドラマなどを見たい方には、不満に思うかもしれませんが、そのことで、家代を責めたりしないでください。テレビを完全に撤去することはあっても、「朝ドラ」を見られるようになることはない。

また、ギターやオルガンなどの楽器もあるが、家代は何にもできない。皆さんが素敵な音楽を奏でてください。

でも、この宿には、本やマンガがたくさんある。数は多いのですが、少々偏ったところがあり、「たがみよしひさ」の作品は、ほとんどありますが、「空知英秋」は一冊もない。「ガラスの仮面」も「ワンピース」もない。でも「石の花」や「火の鳥」はあります。
お客さまのお好きなマンガがないからといって、家代に詰め寄らないでください。

この宿には、イヌとネコがうろついています。
犬種は、大変由緒正しいイヌですが、そう思えない節もある。この宿にあなたが来たときは、かなり大きな声で吠えると思うが、絶対に噛むことはありません。飛びつくことがあっても、決して噛むことはありません。たまに機嫌が悪いときは、怒ることもありますが、きっと噛むことはありません。走ったりすると、吠えて追いかけてきますが、たぶん噛むことはありません。イヌが嫌いな方には、恐怖であると思われるが、ご了承ください。彼らは、彼らなりに、一生懸命に接待しているので、許してやってください。
また、ネコも同様にただ惰眠をむさぼってるのではなく、それなりに一生懸命に接待しています。
イヌやネコアレルギーの方は申し訳ありませんがご注意ください。

この宿は、こういう宿ですが、小樽運河にも近いし、寿司屋通りもすぐそこです。まあまあの眺めですし、落ち着いた静かな宿です。
また、宿には、カードゲームやボードゲームなどのもあるし、幾枚かのいい音楽のCDがあるし、日当たりのいい縁側もある。ビクトル・エリセの映画もあるし、旅に関連した本もある。
さらに、家代は、気が向くとコーヒーを淹れるし、パンも焼ぅ。蕎麦も打ゆ。多少無愛想なところはあるが、話し相手には最適な存在でし、知っていることは何でも教えます。でも、知らないことがたくさんあるので、そのことで呆れないでください。

ま、とにかく一度来てみませんか?

で、来てみたら思ったよりつまらない宿かもしれません。
それはこちら側の至らない点もありますが、この宿はスタッフが作り上げてるのではなく、ここに来る旅人のみなさんにこの宿を作っていただきたい。

私は「宿主」宿の主(ぬし)ではありません。
この宿、家の代表です。いわば管理人「家代」です。この宿の主(ぬし)は紛れもなく「旅人」のみなさんです。宿の主(ぬし)は旅人。

つまり、ここは旅先のあなたのウチです。

家代は「さあ!みんなで飲みましょう!」とか「さあ!うたいましょう!」とか「さあ!ゲームをしましょう」とか「さあ!語り合いましょう!」とか、滅多にクチにしません。
流れでそうなることがあっても、こちらから強制することも誘導することもしません。放置状態です。話相手になって欲しいときは、それとなく合図を送って下さい。存分にお相手いたします。

宿の雰囲気は、そのとき一緒になった旅人によって変わる。
楽しいときもあるし、気まずいときもある。
淋しいときもあるかもしれないし、一生忘れられない出来事があるかもしれない。

この宿はそういう宿です。
街の印象もそうです。

ま、旅はそういうもんだと生意気にも家代は思っています。

ですから、一度来て、また来てみてください。
きっと次は違った雰囲気のこの宿に、この街に、あなたの旅に出逢えるはずです。

ま、まずは一度来てみたら。

そして、また来てみたら。

“The Otaornai Backpackers’ Hostel MorinoKi” はらだまさき拝 2000年春/2020年晩秋改